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Fumiko Saburi | CalligraTalk

Date : 2012年12月

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ソネット集 展示作品


作品画像

英国文学十四行詩集vol.1 ディケンズの夢~ 『クリスマス・キャロル』 の会期展示作品です。
恵まれない人達への寄付をお願いしにきた紳士と、毒づくスクルージの言い合いを描きました。
「放っておいてもらいたいものだね。 わしが望むことを尋ねられたから、そう答えたまでだ。クリスマスにだってわしは楽しんじゃおらん。怠け者たちを楽しませる余裕なんざないよ。先ほどお話ししたような施設にもずいぶんお金をだしているんでね。もう十分金くい虫じゃないか。暮らし向きの悪い人たちはそういったところに行くべきですな」
      「そういったところに行かれない人も大勢いますし、そういったところに行くくらいなら死をえらぶものさえいます」
「死にたいなら、そうした方がよかろうよ。余分な人口も減るだろうし。それに、もうしわけないが、そんなことは知ったこっちゃないな」
      「ご存知のはずですが」
「わしには関係ないよ。 自分の商売のことをやるので精一杯なものでね、他人のことまでかまっちゃおれんよ。いつも自分のことだけでいっぱいいっぱいだよ。ごきげんよう」
部分画像
(悪そうなゴシック体アレンジ)



作品画像
(クリックで拡大シマス)

そんな強欲けちけちスクルージのもとに、クリスマスの夜、同様に強欲だった元共同経営者マーレイの幽霊があらわれます・・・。
 何度かいったりきたりした後、ふたたび腰をおろし、椅子に頭をもたれかけました。視線はふと呼び出しのベルに、今は使われていないけれど、部屋についているものに留まりました。それは、建物の一番上の階のある部屋と今は忘れられた目的でなんらかの連絡をとるために使われていたベルでした。そして驚いたことに、薄気味悪いことでも、言葉にならないほど恐ろしいことですが、スクルージが見ているとそのベルがゆれはじめたのです。はじめはゆっくりとゆれていて、音がするかしないかといったところでした。ただだんだん音が大きくなり、それも家のすべてのベルが音をたてたのです。 これは三十秒か一分ほどのことでしょうか、ただ一時間にも思われました。ベルははじまったときとおなじように全ていっしょに鳴り止みました。まだカラン、カランという音が階下からは聞こえてきました。まるでだれかがワイン商人のセラーの樽に重いくさりをかけて、引いているような音です。それでスクルージは、お化け屋敷では精霊が鎖を引いているということを聞いた気さえしました。 セラーのドアがぶきみな音をたてて開き、スクルージの耳にはその音は階下でいっそう大きくなりひびきました。そして階段をのぼってきて、まっすぐ自分の部屋のドアのところまでやってきます。
 「まったくばかばかしい」スクルージはひとりごちました。「信じやしないぞ」   ただすぐさま重いドアを通りぬけて、眼前に姿があらわれたときにはスクルージも顔色を失いました。入ってくると、消えかかっていた炎がもえあがり、
それはまるで 「知ってるぞ、マーレーの精霊だ」 とでも叫んだようで、すぐに元の大きさにもどった。
というドキドキ場面・・・暗がりに何かがいる気配・・・を描きました。ちなみにグレートブリテン島に見える形になったのは、まったくの偶然です・・・。



作品画像

マーレイの幽霊はこれから三人の精霊が訪れることをスクルージに告げ、おどろおどろしく去っていきました。そして予告通りやってきた一人目の精霊にスクルージは過去の自分を見せつけられます・・・。 無邪気に駆け寄ってくる妹、優しくしてくれた大人たち、そして自分の元を去って行った元恋人・・・あなたは変わってしまったから、私のような持参金も持たない女と結婚をしたらきっと後悔するでしょう、と。
「あなたもこのことで心を痛めるかも。過去の記憶であなたがそうであってほしいと思うけど。でもとてもとても短いあいだのこと。一円のお金にもならない夢として、そんな思い出は喜んですてるでしょうから。目がさめてよかったと思ってね。どうかあなたの選んだ道でお幸せに」
“そういえば昨夜ドアの前でキャロルを歌っていた子供がいたっけ・・・何かあげればよかったな・・・”なんてふと思うスクルージ。(そうだよう 歌っていたのは この子達 だったのかも・・・。)



作品画像

過去の精霊のおかげでだいぶ懺悔をした彼。続く二人目の精霊には現在の自分を見せられます。楽しく過ごしていたのにスクルージさんの名前が出たとたんしらける従業員クラチェット一家、クリスマスディナーのお誘いを今年もむげに断ったのに 「それでも怒る気にはならないんだよなぁ・・・(だって楽しくないのはいつも本人だもの)」 と言う甥っ子・・・。さらに深く反省し、心を入れ替えつつあるスクルージは、クラチェット家の末っ子・身体の弱いティム坊やを「助けてあげてください精霊さま!」と、お願いするのですが・・・まだまだ許してくれない精霊はピシャとこう言って突き放します。
「ああしたものが将来かわらないなら、わしの種族のものとしても」精霊は答えた。「あの子を救うことはできないな。それがどうしたというんだ。もしあの子がしにたきゃそうするがいいだろう。過剰な人口がへらせるじゃないか」
「おまえ」精霊は語りかけた。「もしおまえに人間らしい心があるなら、石のような心でなければ、あんなことを口にするべきじゃない。過剰っていうのがなにか、それがどこにあるのかを見るまではな。おまえがどの人間が生き残って、どの人間が死ぬのかを決めるつもりかい? 神にしてみれば、おまえなんかあの小さな貧しい子のような何百万の人たちとくらべたら、より取るに足らない存在だし、生きるに値しないものかもしれないな。あぁ神よ。葉の上の虫けらが、地面の上にはあまりに多くの飢えた仲間たちがたくさんいすぎるなんて言うのを聞こうとは」
でも・・・病気の子供を見れば私も「あの子が助かってほしい」と思うけれど、それって誰が生きて誰が死ぬかを決めるつもりになっているエゴなのだろうか。 そうなのかなあ。 ・・・・・。
・・・と、私自身も感じるところある精霊の言葉でした。


以上4点。 三人目の精霊に未来の自分を見せられたスクルージ氏のさらなる改心のさまやハッピーハッピーエンディングまで、描きたいシーンが多すぎてずいぶん悩んだなぁ。

☆ウェブにも作品載せました☆
   http://fumikosaburi.com/fineart.htm
☆YouTube でクリスマス・キャロル会期の映像が観られます☆
   http://www.youtube.com/watch?v=J9SP8JocaR4 (撮影,編集:伊藤俊さん)


"Thank'ee,"
"I am much obliged to you. I thank you fifty times. Bless you!"
「本当にありがとう。何十回でもいうよ、どうもありがとう、お幸せに」 --- Ebenezer Scrooge



and happy holidays!
素敵なクリスマスを♪
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英国文学十四行詩集 vol.1 終了しました


exhibition The Sonnets

ソネット集、展覧会無事に終了しました。観に来てくださったみなさま、始まりから端々まで愛と手腕で引っ張り続け、この空間を作り上げてくださったノールさま、ご一緒させていただいたみなさま、ありがとうございました。とっても楽しかったです。画像は会場でとても好きだった景色です。

exhibition The Sonnets displayexhibition The Sonnets caption

ノールさんによるキュレーションは隅々までぬかりなく。アンティークの調度だけでなく今回はコレクションされている美しい装丁のイギリス書物たちも持ち込まれていて、小部屋のあちこちにそっと潜み、伸びてくる書物好きな方々の手に身をゆだねていました。右の画像はキャプションです。

個人的には他の作家さまたちの作品にいろいろと影響を受けました。コンセプト、(作品の)立ち位置、佇まい。対峙するのか、寄り添うのか。今回出展した四点には納得していますが、これから進みたい方向を確認でき、次に目指す一枚がより強く見えたかなあと思います。

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プロフィール

Fumiko Saburi

Author:Fumiko Saburi
東京在住のカリグラファです
Website: fumikosaburi.com
Place: Tokyo

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